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「ものがたり降る夜」カウンセラー花田照吉


2015/12 ことのはBOX 「ものがたり降る夜」(鴻上尚史)

演出 酒井菜月

ことのはBOXさんの舞台「ものがたり降る夜」に出させていただく事になり、この戯曲を初めて読みました。

「ものがたり降る夜」というタイトルから、ちょっとロマンティックな話かな?と思いきや、女性を買ったり男性を買ったり、全裸のダンサーは登場するわ、放送に乗せられないセリフがちょろちょろ出てくるわで、鴻上尚史恐るべしと想った物でした。

私は、その中で謎のカウンセラー「花田照吉」を演じることになったのですが、イメージ作りに相当に悩みました。

しかも、台本には全裸のダンサーにも私の名前があり、その両立に悩みましたが実際稽古に入ったら、ダンサーは素でよかったので結果的に悩みませんでしたw。

で、この花田照吉という男をどう演じようか?最終的には田村正和さんの古畑任三郎と堺雅人さんの古美門研介のエッセンスを振りかけてみました(あんなに素晴らしい人物像と演技には程遠いのですが・・・)。ま、B級な不法コピーのミッキー的な感じですね。

そんなイメージで、発声・声質、話のテンポの癖、イントネーション、長いセリフの中でのテンポや抑揚変化の癖とか。。。さらには歩き方でどんな風に足を地面につけるのか?とか、話すときの感情にリンクする指先の癖とか、、、いろいろ考え、稽古に入ってから普段の食事中も「花田照吉は、どんな姿勢で、箸をどう使って、どの順番から食べるのか?」とか、店を選ぶとき花田ならどう選ぶか?とか花田照吉視点で生活をしていました。

そこまでやっても、まだ見えない、ま、見えたり正解がないのが演技であり役者、俳優という「人ニ非ズ優ル」という因果な商売なのである。

でも、この花田照吉は大変気に入った役になりました。

この機会をくださった、ことのはBOXさんと演出の酒井さんには感謝です。


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